「稼げる文章、すぐ書けるコツ」では「すぐ」書けるようにはならない

稼げる文章 すぐ書けるコツ (PHP文庫)

本には「答え」が書いてある物もあれば「ヒント」だけ書いてある物もある。

どちらにしてもよく読み込んで練習しないと身につけることは難しい。

この本は「ヒント」が書かれている本だ。

稼げる文章を書く「心得」が書かれているが「ああしろ」「こうしろ」と書いてあるだけで具体例や解説は少ないので

「ああするにはどうしたらいいか」

「こうするにはどうしたらいいか」

というのは自分で考えなくてはならない。

もちろん文章を書くのに自分で考える力を身につけることは大事だ。

しかし、

タイトルに「すぐ」を付けているのに

「どうすればいいのか」というハードルを立ててしまっているのは適切でないと思う。

本編は3章から読めば十分だ。

2章までは「文章力を身につけるとどんなメリットがあるか」ということが書かれているだけなのでテクニックが身につくことはない。

文章を書くモチベーションを上げたいなら読んでもいいだろう。

3章から読んでもヒントばかりで答えが書いてある本ではない。

体験談を交えた「心得」ばかり書いてある。

例えば著者が編集者時代に「先輩からアドバイスを受けた」「そのアドバイスのお陰で文章力が上がった」という風に書かれている。

そのアドバイス通りにするために「どのように考えたか、どうしたら実行出来たか」が書かれていれば

体験談が多く書かれているので著者のファファンブックとしてなら実用的である。

また、読みやすい本ではあるので文章自体を参考にしてもいい。

コピーライティングや文章力を磨きたいのであれば不向き。